Press Release

標題:
日本シップヤード、Hankuk CarbonによるLNGおよびアンモニア燃料 IMOタイプBタンク向けスプレー式防熱システムにAiPを発行

2025年12月3日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、日本シップヤードおよびHankuk Carbonが開発したLNGおよびアンモニア燃料IMOタイプBタンク*向けスプレー式防熱システムに対し基本設計承認(AiP)を発行しました。本認証は規則および安全性の観点から本設計コンセプトの実現可能性を確認するものです。

海運業界で脱炭素化が大きな課題となる中、LNGやアンモニアを燃料として運航する代替燃料船の開発が進んでいます。従来、LNG燃料船においては、IMOタイプCタンク*が、生産性とコスト面の優位性から主流となっていました。一方で、大型コンテナ船やアンモニア燃料船で必要となる燃料タンクは、大容量を求められるため、積載効率や艤装の面で優れるIMOタイプ Bタンクにも注目が集まっています。

今般本会は、IMOタイプBタンク向けスプレー式防熱システムの設計および同システムの実証用モックアップ試験の結果に対して、IGCコードを取り入れた本会鋼船規則「N編」およびIGFコードを取り入れた本会鋼船規則「GF編」に基づく審査を実施し、所定の要件への適合が確認されたことからAiPを発行しました。

新たな技術開発や社会実装に対し、本会は安全性評価をはじめとした貢献に引き続き努めてまいります。

以上

* LNGなどの液化ガスをばら積貨物として輸送する船舶の構造および設備の安全要件が規定された国際規則であるIGCコードにて定義されている独立型タンクタイプの1種。


授与式の様子

右:Mr. Moon-soo Cho, CEO, Hankuk Carbon
中:日本シップヤード 取締役/執行役員/設計本部長 高平智明様
左:日本海事協会 常務理事 松永昌樹

基本設計承認(Approval in Principle: AiP)について:
設計初期の段階あるいは特定の実装対象船舶が決定する前の段階で、国際条約や船級規則など既存の規制に基づき、設計を審査し、要件への適合の証明として発行する。後工程における規制面の手戻りの防止や、船級登録時の審査時間の短縮につながるとともに、設計状況の対外的なアピールの技術的根拠として活用することが可能となる。詳細は本会ウェブサイト参照

日本シップヤードについて:
2021年、「LNG船を除くすべての一般商船・海洋浮体構造物の営業設計会社」として、今治造船株式会社とジャパンマリンユナイテッド株式会社の共同出資により設立。
ウェブサイト:https://www.nsyc.co.jp/

Hankuk Carbonについて:
1984年に韓国で設立された複合材メーカーで、カーボンファイバーやガラスファイバーを含むさまざまな素材をプリプレグを通じて幅広いハイテク産業に供給。
ウェブサイト:https://www.hcarbon.com/en/main.do


【本件に関するお問い合わせ】
一般財団法人日本海事協会 技術本部 船体部
TEL: 03-5226-2017
E-mail: hld@classnk.or.jp

【報道関係のお問い合わせ】
一般財団法人日本海事協会 営業本部 広報室
〒102-8567 東京都千代田区紀尾井町4-7
TEL: 03-5226-2047 FAX: 03-5226-2039
E-mail: eod@classnk.or.jp

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