Press Release

標題:
SRC Groupによるメタノール燃料タンク設計コンセプトにAiPを発行

2025年10月1日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、SRC Groupが開発を進めるメタノール燃料タンク設計コンセプトに対し、基本設計承認(AiP)を発行しました。本認証は規則および安全性の観点から本設計コンセプトの実現可能性を確認するものです。

近年、メタノールなどの代替燃料を使用する船舶の建造が増加しています。本設計コンセプトでは、メタノール燃料タンクを設置する際に必要な安全基準を満たしつつ、コファダムによる構造上の追加スペースを解消し(*1)、効率的に燃料容積を確保することが可能となります。

本会は本設計コンセプトに対し、「代替燃料船ガイドライン」の「A部 メタノール/エタノール燃料船の安全に関するガイドライン(第3.0.0版)」および関連の鋼船規則に基づく審査に加え、メタノール燃料タンクや燃料供給設備の配置といった主要な設計要素について規則適合性の観点における実現性を確認したことからAiPを発行しました。

また、本会は、本AiPの発行に際し、将来的な船舶への適用および最終承認の円滑な取得を見据え、事前にパナマ主管庁へ本コンセプトの概要と技術的な論点についての説明を実施し、内容について了承を得ています。

新たな技術開発や社会実装に対し、本会は安全性評価をはじめとした貢献に引き続き努めてまいります。

以上

(*1) 一体型燃料タンクを設置する場合は、IMOの暫定基準に基づき、安全性確保のため、通常低引火点燃料タンクの周辺にはコファダム(空の安全空間)を設ける必要があるが、本設計コンセプトでは、構造体にサンドイッチ構造(鋼板-樹脂-鋼板)を採用し、その構造自体で安全機能を確保することで、コファダムの設置が不要となる。

基本設計承認(Approval in Principle: AiP)について:
設計初期の段階あるいは特定の実装対象船舶が決定する前の段階で、国際条約や船級規則など既存の規制に基づき、設計を審査し、要件への適合の証明として発行する。後工程における規制面の手戻りの防止や、船級登録時の審査時間の短縮につながるとともに、設計状況の対外的なアピールの技術的根拠として活用することが可能となる。詳細は本会ウェブサイト参照

SRC Groupについて:
SRC Group(設立:2001年、本社:エストニア)は海事・オフショア分野における設計・エンジニアリング、技術サービスなど提供している民間企業。オランダ、ノルウェー、エストニア、イタリア、ポーランド、米国に拠点を持ち、国際的に展開。
SRC Group - Marine & Offshore Experts in retrofit engineering modifications

【本件に関するお問い合わせ】
一般財団法人日本海事協会 技術本部 技術部
TEL: 03-5226-2042
E-mail: tsd@classnk.or.jp

【報道関係のお問い合わせ】
一般財団法人日本海事協会 営業本部 広報室
〒102-8567 東京都千代田区紀尾井町4-7
TEL: 03-5226-2047 FAX: 03-5226-2039
E-mail: eod@classnk.or.jp

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