Press Release

標題:
川崎重工業およびTBグローバルテクノロジーズの液化水素用船陸間継手に対し、技術認証の証明書を発行 ~安全性検証により液化水素技術の社会実装に貢献~

2025年12月1日

一般財団法人日本海事協会(ClassNK)は、川崎重工業株式会社およびTBグローバルテクノロジーズ株式会社が共同で開発した液化水素用船陸間継手(以下、本製品)に対し、技術認証(Technology Qualification: TQ)を実施し証明書を発行しました。技術認証は新技術に対し既存規則等に基づく技術と同等の安全性が検証されたことを示すものであり、液化水素用舶用機器として本会として初の発行となります。

脱炭素社会におけるクリーンエネルギーとして期待される⽔素のサプライチェーン構築に向け、⼤規模かつ効率的な輸送を可能とする液化⽔素運搬船の開発が活発に進められています。本会は、液化水素運搬船用機器を含む新技術の社会実装および商用化を支援するため、既存規則等の適用が困難な場合にも安全性を評価するための手法を定めた「技術認証ガイドライン」*1を発行しています。技術認証では、新技術に付随するリスクや課題の特定、安全対策の審査を通じ、定められた範囲内での機能の信頼性に加え、既存規則等に基づく技術と同等の安全性を確認します。

川崎重工業およびTBグローバルテクノロジーズが共同開発した本製品は、液化水素運搬船の荷役用配管と液化水素基地の桟橋に設置されたマリンローディングアームを接続するためのフランジ型継手です(図1参照)。

本会は本製品に対して、「技術認証ガイドライン」および、液化水素運搬船に関する諸要件を定めた「液化水素運搬船ガイドライン」*2などに基づき審査を実施しました。本製品について、液化水素を極低温(-253℃)環境下において安全に荷役ができるよう、構成要素の新規性を踏まえたリスク評価の実施や国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)能代ロケット実験場での液化水素を用いた認証試験を含む安全性評価を行い、所定の要件を満足していることが確認されたことから、技術認証の証明書を発行しました。


図1 :船陸間継手(液化水素運搬船の荷役用配管と液化水素基地の桟橋に設置されたマリンローディングアームを接続するためのフランジ型継手)

本会は、引き続き先進的な取り組みへの技術的検証を通じ、関連技術の社会実装や普及に貢献してまいります。

以上

*1 関連プレスリリース
「基本設計承認及び一般設計承認に関するガイドライン」、「技術認証ガイドライン」を発行
https://www.classnk.or.jp/hp/ja/hp_pressrelease.aspx?id=7643&layout=1

*2関連プレスリリース
「液化水素運搬船ガイドライン(第3.0版)」を発行 ~貨物格納設備の多様化に対応、最新の知見を反映~
https://www.classnk.or.jp/hp/ja/hp_pressrelease.aspx?id=12202&layout=1

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一般財団法人日本海事協会 技術本部 技術部
TEL: 03-5226-2042
E-mail: tsd@classnk.or.jp

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